作者 | 古見鐘一 |
最新刊 | 5巻(完結) バベルハイムの商人として |
無料で読めるアプリ | マンガワン |
今回紹介するのは、摩訶不思議な悪魔の世界を体感できる「輪典バベルハイムの商人」です。
悪魔との売買により、不思議な力を持ったアイテムを手に入した人間たちのストーリー。
輪転バベルハイムの商人は、小学館の公式アプリ「マンガワン」で無料で読む事ができます。
マンガワン
「輪転バベルハイムの商人」のあらすじ
一見何の変哲もない金貨、「運命金貨」。
これはただの通貨ではなく、悪魔との交易世界「常世の国(バベルハイム)」への招待状。
運命金貨を手にした人間は、悪魔と様々なアイテムの売買をすることができます。
「永遠の若さと美貌を与える宝石」「自分の身代わりになってくれる人形」など、代金さえ払えば人間の世界では考えられないような、不思議な力を持ったアイテムを手に入れることも可能なのですが…
人間が悪魔のアイテムを使いこなすためには、細かいルールを守らなければいけません。
欲に目がくらんでルールを破った人間は、取り返しのつかないことに…。
悪魔と人間を売買で結ぶ役割を担う「ユージン」が語る、悪魔と取引をした人間とそれにまつわるストーリー。
運命金貨に選ばれた人間
「運命金貨」は運命というだけあって、本当に必要としている人間の手元へと導かれるようにやってきます。
自分から運命金貨を求めた人間、偶然手に入れた人間、与えられた人間…どのような経緯で手に入れようとも、全員に共通するのは「悪魔と取引をしてでも叶えたい強い願い」があるということですね。
きっと運命金貨を手にしたら自動的にバベルハイムへ招待されるのではなく、そこへ強い願いや欲が加わった結果、交易世界へと組み込まれるのではないでしょうか。
第9話では欲のない人間に半ば無理やり欲を出させて悪魔と取引を成立させていましたが、その流れ自体も運命だったのだろうと思います。
運命金貨を手に入れて助かった人間もいれば、運命金貨を手にしたばかりに破滅の道を辿る人間もいます。
やはり、いらない欲を出さないほうが、結果的にうまくいくんですよね。
もしも自分が運命金貨を手に入れたなら、決して身の丈以上の欲は出さないようにしたいです。
もっと詳しくルール説明を…
誤った使い方をしたりルールを破ったりすると、取り返しのつかないことになる悪魔のアイテム。
読んでいて、笑うセールスマンを思い出すことがあります。
その割には、ちょっと商品に対しての説明が雑じゃない…?という疑問が湧いてきます。
欲深い人間が失敗して破滅するのは、まあ自業自得だとも思うのですが、ハッキリとした説明をしないほうにも非があるのではと思ってしまいますね。
「ルールを破ったらどういうことが起こるのか」というのをもっと具体的に説明していたら、助かった人間も多いのではないでしょうか。
基本的に、悪魔との売買は人間の方が不利な立場にありますよね。
「悪魔は人間がいないとやっていけない」と言うくらいなら、もうちょっと親切にしてくれてもいいんじゃないの…と思います。
「注意事項はふんわりとしか説明しないけど、一応伝えたから後は自己責任!」なんて、普通の人間同士の売買だったらクレームの嵐ですよ、きっと。
人間の欲望や醜い部分を的確に描く
この作品は悪魔のアイテムを通して、人間の醜さや愚かさと言った汚い部分を的確に表現しています。
世界観は完全にファンタジーなのに、そういった人間の内面的な部分は妙に生々しくてリアリティがありますね。
自分も同じ立場ならきっとこうしてしまう、いや絶対にこうはしない、など自分の内面を振り返ってみるいい機会にもなるのではないでしょうか。
ただ、実際に自分が悪魔と取引をしたら、自分でも気づかなかった醜い部分が発覚するかもしれません。
そういった意味では、ちょっと興味本位で悪魔と取引してみたい気もしますが…きっとそんな軽くて不純な動機の人の元には「運命金貨」はやってこないでしょうね…。
ハッキリとした強い願いがないと、どんなものを買ったらいいのかも思い付かないですし。
人間が売る側の話も見てみたい
基本的にどの話でも、人間が悪魔から物を購入するストーリーばかりです。
たまには人間が悪魔に物を売って、悪魔がそれをどう使うか、というストーリーも見てみたいです。
どんなものが悪魔に需要があるのかとか気になりますしね。
血液なんかは需要がある描写がありましたが、そういったものだけではなく人間が作る機械とか薬品とか、需要があったりはしないのでしょうか。
ユージンは悪魔側の商人ですが、人間側にもユージンのような商人がいてもおかしくないと思います。
人間側の登場人物は、基本的には全員主要キャラではなく1話だけの登場で終わりますし、今後人間の主要キャラ登場にも期待したいです。
「輪転バベルハイムの商人」まとめ
「輪典バベルハイムの商人」は、元々「バベルハイムの商人」が加筆修正された作品なだけあって、絵がとても丁寧できれいです。
ただし、それとは裏腹に内容はホラーテイストで若干エグイ表現もありますので、そういったものが苦手な人にはあまりおすすめできません…。
後味の悪い展開もあります。
けっこう好き嫌いが分かれる内容だとは思いますが、ハマる人にはハマる、という作品だと思いますので、まずは一話読んでもらいたいですね。
マンガワン
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