作者 | 福山リョウコ |
最新刊 | 13巻(2017/09現在) |
無料で読めるアプリ | マンガPark |
少女漫画雑誌「花とゆめ」の人気作品「覆面系ノイズ」は、アニメや映画化などノリに乗っています!
読むとカラオケに行って叫びたくなる…!歌う事が好きな一人の女の子を巡る、片想いとバンドの物語。
今回はこちらの作品をご紹介させて頂きます!
覆面系ノイズは、マンガParkで無料で読む事ができます。
マンガPark
切ないけれど温かい、歌を通して想いを伝えるストーリー
有栖川仁乃(ありすがわにの・通称ニノ)は小さい頃から歌う事が好きで、隣に住む榊桃(さかきもも・通称モモ)と夜な夜な一緒に歌っていました。
しかしある日モモの家は夜逃げをし、二人は離れ離れになってしまいます。
大好きなモモを無くし悲しみにくれたニノは、心の中を叫ぼうと浜辺に行きます。
そこで杠花奏(ゆずりはかなで・通称ユズ)と出会うのでした。
ユズは作曲をしていてニノがそれを気に入り歌うと、ユズもまたニノの歌声に惚れ込み、二人は毎週会う約束をしました。
しかし仲良くなったユズも家庭の事情で突然姿を消し、またもやニノは悲しみます。
ニノがそんな二人と再会したのは高校生になってから。
ユズはニノと再会するために作ったin No hurry to shout(通称・イノハリ)というバンドで、モモは作曲家として成功していました。
しかしモモは、ニノのために作っていた曲をお金を得るために売ってしまった…という自責の念からニノを避けます。
それを知らず冷たくされたニノは、モモに声を届けるためイノハリのボーカルとして加入する事に。そしてユズはニノを想いながらも、ひたむきに彼女のため曲を作り続ける…。
これは三人が三角関係となり、それぞれが「ほんとのきもち」を隠して音楽を続けて行く、切なく激しい恋と音楽の物語です。
映画のトレイラーはこちら。
切なすぎる三角関係!
読んでいて辛くなるほど、ユズ→ニノ→モモの苦しい三角関係!
しかもそれぞれ事情があり「ほんとのきもち」を隠さなければならない状況に…。
大好きな人に、自分の気持ちを伝える事が出来ない苦しさは相当なものですよね。
この作品は主人公のニノだけではなく、イノハリのバンドメンバー達も同じように「言えない片想い」をしているのが特徴。
ベースのハルヨシ→元・イノハリボーカルの美桜(みおう)→ユズ→ニノの構図も本当に切ない!
あっちもこっちも切ない恋をしているので、読んでいる途中いい加減一人くらいは幸せになって欲しいとじれったく思います(笑)
特に一番切ないなぁと思うのはドラムのクロ。
彼は兄の婚約者に恋をしてしまい、一番叶わぬ恋をしています。
ハルヨシが耐え切れず深桜に告白してしまい後悔していた時も「伝えられるてほんま幸せなことなんやで」とたしなめ、一人だけ高校生とは思えぬ達観ぶりを発揮。
切ない恋というのは苦しいけれど、その分人を成長させるものであるのだなと思わされました!
漫画において「音楽」×「片想い」という設定は稀有な作品であると言える
三角関係というよくある恋愛ストーリーとはいえ、この作品は「音楽」という一本化された世界で物語は進んで行くので、そこまでドロドロしているわけではなく「これも青春だなぁ」と思える雰囲気なので読みやすいですよ!
このように三角関係を描いた少女漫画はたくさんありますが、その中でも特に「ピーチガール」が有名所でしょうか。
コメディを踏まえつつ、各々の切ない恋心を描いているところが一番似ている気がします。
どっちの男の子とくっつくんだ!?と読者をジリジリさせる展開が非常に魅力的で、色々なフラグが立つので見逃せない…!
続きが気になり、徹夜で読破してしまう漫画です。
こういった作品に出て来る男の子は必ずと言って良い程イケメンなので、読者の中でも「どっち派」が出来て論争するのも面白いですね。
女子が大好きな漫画でありますが「覆面系ノイズ」は、音楽とバンドの話も盛りだくさんなので男性が読んでも楽しめると思います!
恋をした理由、音楽を続ける理由が明確なので読み応えがある
登場するキャラクター達はそれぞれに理由があり音楽を続けています。
例えばニノは引っ越す前のモモに言われた「もし会えなくなっても、いつかお前の歌を目印にして会えたらいいよな」という言葉を胸に、歌う事を続けていました。
いつかモモに声が届く事を信じて…。なんともいじらしい理由にキュンとする事間違いなし!
モモは家の借金を返済するため、歌う声が出せないユズは母親に猛反対されながらもニノに自分の代わりに歌って欲しいため。
他のメンバーも然り、それぞれの理由が重く深いのでとても読み応えがあります。
もちろん恋心を抱くに至った理由も様々、納得出来るので物語に入って行きやすい!
少女漫画にありがちな「簡単にすぐ恋に落ちる」のではなくて、深い理由ゆえの恋なので普通のラブコメとはかなり違った印象を受けました。
人気作となりアニメや実写化されるのも頷けます!
歌や音楽といったテーマを漫画にするのは難しい
ニノの歌声、ユズやモモが作った楽曲が人々を惹き付けるという設定なのですが、漫画だとこの表現は本当に難しいなと思います。
同じくバンド漫画「BECK」も天才的、魅力的な声を持つ主人公が出て来ますね!
両作品とも、形の無いものをどう絵に描いて表現するのかが見所のひとつでしたが、興奮する観客や細かいモノローグ、点描、線などの手法を用いてどちらも読者に伝わるように上手く表現しています。
「覆面系ノイズ」は作中でオルタナティヴ・ロックと言われていますが…正直、音楽にさほど詳しくない私はよくわかりませんでした(笑)
でもニノの叫んでいる表情や動きなどで、とても激しい音楽なのだろうとかなりイメージが湧き、声までもがなんとなく伝わりました。
そのあたりの描き方が、両作品ともとても素晴らしいと思います!
アニメや実写ではどのように表現されているのか、そちらにも興味が湧きました。
「覆面系ノイズ」の感想・ネタバレまとめ
以上「覆面系ノイズ」をご紹介して来ましたが、こんな方々におススメです!
- 音楽が好きな方
- 片想いをしている方
- 普通のラブコメに飽きた方
- イケメンや美少女などが出て来る漫画が好きな方
作中のモノローグは全てひらがな表記なのが特徴的であるこちらの作品。
この手法により「幼い頃の本気の片想い」というのが直に伝わり、あえて「歌う」というのを「うたう」と書くあたりにも、キャラ達が小さい頃からどれだけ歌う事に対して特別な想いを抱いていたか…そんな想いが作者様からのメッセージとして現れています。
彼らはプロとして音楽に携わる高校生でありながらも、幼い子供のような純真無垢な姿勢でそれに取り組んでいる。
それはみんなが誰かに想いを届け伝えるために…。
真っ直ぐに進むキャラ達全員を好きになる素晴らしい作品です!
この作品は全巻大人買いしても後悔しませんよ!
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