
クラス全員を標的とした復讐劇が繰り広げられる「復讐教室」は、無料のアプリ「[ピッコマテキスト]」で読めるよ!
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酷いイジメに遭っていた女子中学生が、イジメの首謀者または傍観者であったクラスメイト全員を地獄へ叩き落すために復讐を決意。
イジメの本当の黒幕、そしてクラスメイトそれぞれが抱える心の闇に迫ります。
復讐教室は「[ピッコマテキスト]」で読む事ができます。
「復讐教室」のあらすじ
中学3年生の藤沢彩菜は、クラスで酷いイジメを受けていました。
誰かに相談しようにも親は厳しく、味方どころか「問題を起こすな」と家庭でも彩菜を追い詰めます。
暴行、恐喝、脅迫、集団無視…地獄のような毎日を送っていくうちに、抵抗することを諦め、されるがままを受け入れようと思い始めた彩菜。
しかしある日、赤信号の横断歩道で後ろから突き飛ばされ、危うく殺されかけてしまい…。
本当の命の危機を感じた彩菜は、「なぜ自分がこんな目に遭わなければならないのか?」と考えます。
そしてそれをきっかけに、イジメの首謀者や、傍観者に徹していたクラスメイト全員に復讐することを決意。
自分と同じ地獄を味わわせることを心に決め、復讐劇の幕を上げます。
彩菜一人だけではない…重なり合う復讐劇
彩菜は初め「いじめられるのに理由はない。ただ網にかかったのが自分だっただけ」だと思っていました。
しかしそもそもそこで大きな勘違いをしていたのが、復讐を完遂させることができなかった原因でしょう。
結局この復讐劇は「彩菜からクラスメイトへ」「真莉から彩菜の父へ」という二つの復讐劇が複雑に絡み合ったものでした。
もしも彩菜が「真莉は理由があって自分をいじめていた」と言うことに考えが及んでいたら、まずは真莉を潰すことでその後の復讐もスムーズに行ったのではと思います。
そうなった場合、黒幕である裕也がどう動いていたかは想像ができませんが、少なくとも結子や恵美に対しては復讐をせずに和解できていたかもしれません。
全ての元凶である藤沢総一郎の結末について
結局、起こったこと全ての元凶は彩菜の父である藤沢総一郎でした。
しかし、最終的に「復讐」とはあまり絡むことなく物語が終わってしまったのは残念です。
真莉は彩菜を自殺させることで総一郎への復讐が成せると思っていましたが、彩菜のことなどなんとも思っていない総一郎にとっては復讐にもならず。
「娘が殺人者になった」ということで立場は失脚したようですが、それでも真莉や彩菜の苦しみに比べれば軽いものです。
こういう性格の悪い人間は、どこへ逃げてもそれなりに上手く立ち回ってのうのうと暮らすはず…。
そう思うと、この復讐劇とはなんだったのか、何の意味もなかったのでは?というモヤモヤが残ってしまいます。
結局、何一つ解決はしないままなので、スッキリしません。
レンの彩菜に対する思いに疑問
最もひどいイジメの実行者であったレンが、じつは彩菜のことが好きで最終的に命を賭けて守る…というのにどうも違和感がぬぐえません。
そんなに彩菜のことが好きなら、初めからイジメに加担せずに守ってあげれば良かったのに。
レンにはその力もありましたし。
そもそも、好きならなぜあんなひどくイジメた?という疑問に対して、物語の最後まで納得のいく答えは出てきませんでした。
例えば、「自分が率先してイジメることで、他の人にイジメさせない。憎まれ役を買って出た」などという理由があるならまだ納得はできますが…。
逆に他の人にもイジメさせていましたし、行動のすべてが意味不明。
それで「彩菜が好き。守る!」とか言われても…という感じで、終盤でレンがヒーロー役っぽくなっているのに違和感バリバリです。
彩菜の性格がブレブレで違和感
主人公である彩菜の性格が、物語のその場その場の展開に合わせて都合よく変わっているのに違和感があります。
イジメの始まりあたりで結子に相談をしていた時などは、おどおどして暗い性格のように見えました。
それなのに物語終盤の美穂やレンの回想では「不良にも優しく物怖じせず、明るい性格」のように描かれていましたね。
そんな性格の人が、誰にも庇われず、自分で解決のために動くこともせず、イジメを受け入れるというのはあり得ないと思うのです。
まあそれは「イジメのせいで性格が変わった」ということで、ある程度納得もできるのですが…。
復讐を始めたばかりの時は「冷酷に復讐に徹する」大物感がありましたが、それも段々と何かあるとすぐに焦ったりビクビクしたりする小物のように変化。
結局復讐もグダグダで、あまりイジメに関係ない人ばかりが酷い目に遭った印象しか残りません。
「復讐教室」の感想まとめ
この作品は、少々内容がエグイので、そういったものが苦手な人は避けたほうが無難かもしれません。
序盤はサスペンスとしても面白く、ワクワクさせてくれる展開です。
しかし、「復讐が完遂する」「黒幕を倒す」「心を入れ替えて丸く収まる」など何かしらスッキリした形で終わる展開をお望みの方は、読まないほうがいいかと思います。
かなりモヤモヤとした後味の悪さと違和感が残ってしまいますので…。
中学生のイジメ、殺人、エグイ復讐などパッと見は派手な内容のように思えますが、結構中身は薄くて「結局何が言いたかったの?何がしたかったの?」という感じです。

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彩菜の決意。復讐劇の幕開け
主人公の藤沢彩菜の受けているイジメが、かなりエグいです。
お金を巻き上げられるなどの恐喝や、太ももに画鋲を刺されるなどの暴力、そして、男子生徒からの性的暴行。
誰にも助けてもらえず、ただ、「大人しくしていれば早く終わる」と耐え忍ぶしかなかった彩菜は、本当にかわいそうです。
そんな、抵抗する気力も失っていた彩菜の復讐心が燃え上がったきっかけは、道を歩いているときに背中を押され、車道に突き飛ばされたこと。
明確な命の危機に晒されて、ようやく彩菜は目が覚めたのです。
「悪意という網にかかった自分。耐えていてもムダ。殺される。それが嫌なら、相手を狩るしかないのだ」と。
このシーンは、蜘蛛の巣にかかった蜂が、にじり寄ってきた蜘蛛を刺す、という光景を彩菜が見つめている状況なのですが、彩菜の復讐心に火がつくプロセスが、すごく良く伝わってきて、ゾッとする名シーンになっています。
彩菜の見事な復讐劇
彩菜は、復讐を開始するにあたって、一つの決意を固めています。
「クラスメイト全員に復讐する。誰1人として許さない」
そして復讐を成功させるために、クラスメイト全員の身辺を、徹底的に調べ上げているのです。
この執念は凄まじいですね。まあ、あれだけ酷いイジメを受けていれば、復讐の鬼にもなるよね、と納得。彩菜にやってきた仕打ちを見ると、復讐されて当然!
彩菜、がんばれ! とさえ言いたくなります。
また、彩菜の復讐方法が実に綿密で鮮やか。調べた情報を元に、その生徒に対して最も効果的な復讐を考え、華麗に実行していくのです。
復讐にあたって、クラスメイトの目立たない女子・藍を言葉巧みに操ったり、翔太の弱みを握り、復讐の駒にしていく手腕もお見事。
こんなに頭が切れて、人間心理を操ることにも長けている彩菜が、どうしてイジメられていたの?と、不思議になるくらいです。
イジメの真相。誰が敵で、誰が味方か
彩菜がイジメられたわけ。それは、「たまたま悪意の罠にかかった」わけではなかったのです。
彩菜がイジメられるようにクラスを動かしていた首謀者は、真莉でした。
真莉の父親は、彩菜の父の非道な仕打ちによって、自死に追い込まれていたのです。
つまり真莉がイジメを煽動したのは、彩菜(の父親)への「復讐」だったわけです。
はじめは、「中学生がイジメに対して手ひどい仕返しをする話」だと思っていたこの作品。
しかし、新事実が明らかになることで、イジメを超えた「恐ろしい復讐の連鎖」へと変わっていきます。
一連の事件が見えてくるに従って、「敵」は誰だったのか。そして本当は、彩菜には「味方」がいたということも分かってきます。
裏で、彩菜へのイジメを何とかやめさせようと必死に動いていたクラスメイトがいたのです。そういった、彩菜の本当の友達だった女の子たちは、皆死んでしまいます。
彩菜の復讐心が揺らいだこともありましたが、結局彼女は、復讐を完遂させることを選ぶのです。
復讐劇が進むにつれ、彩菜の疑心暗鬼と絶望の渦が膨れ上がって狂っていく様が、とても恐ろしいです。
事件の真の黒幕・山瀬裕也
驚くべきは、イジメの首謀者が真莉であった、ということだけでは終わらなかったこと。
真莉をけしかけた人物、いわば真の黒幕が姿を現したのです。
それは山瀬裕也。彼は彩菜の異母兄妹です。
しかし彼は、彩菜や真莉のように「復讐心によって狂っていった」のではありません。
裕也は、「自分の想像を超える出来事が起こるのを見たい」
という理由で、彩菜と真莉の復讐心の激突を、裏で操っていたというのです。
完全に狂っていますね。
(彩菜と裕也の)父親のせいというのは明白なのですが、裕也はどうして、ここまで歪んでしまったのだろう、と不思議に思います。
結局この復讐劇は、多数の死者を出すほどの恐ろしい事件へと発展しました。
それなのに、裕也にとっては結局、全てが想定の範囲でした。
この悲惨な事件を、彼は「つまらなかった」と切り捨てるのです。
人を人と思ってない感じとか、人を操る能力に長けているところが、サイコパスっぽいですね。
そして、最後の裕也のセリフが印象的です。「復讐は連鎖する」人間は、復讐の連鎖を断ち切ることはできるのか。
深いメッセージを残して、物語は幕を閉じます。
まとめ
彩菜や真莉、そして「復讐の連鎖」に巻き込まれていったクラスメイトたちが狂っていく様が、非常に恐ろしい作品です。
死者多数、彩菜は意識不明の重体、そして事件の黒幕・裕也は飄々と生き残っている。
何の救いもない、胸糞の悪い結末になっています。
現実世界として、ここまでの事件は無いでしょうが、彩菜がうけた凄惨なイジメとか、父親が自殺した真莉とか、部分的に見れば「あり得る話」であり、彼女たちが恨みを募らせ「復讐」に走ったというプロセスは、妙に現実味を帯びています。
そしてラストに、「復讐の連鎖は止まらない」という恐怖のメッセージを、現実世界に突きつけてくるのです。
未成年が、イジメの末に殺してしまうなど、むごい事件が多発している現代社会への、強烈な戒めを感じさせる作品になっています。
イジメ問題や、未成年の犯罪などを取り扱った内容に関心を持っている人には、オススメの作品です。
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