今回、紹介するのは「いろはと僕と」です。
幽霊なのに、めちゃめちゃ明るくて可愛い少女・いろはと、高校デビューに失敗した男の子・歩が織りなす、友情や恋の青春ストーリーです。
「いろはと僕と」は小学館の公式アプリマンガワンで無料公開されていましたが、現在は終了しています。
「邪心の花嫁」や「恋はネタ作りの後で」など面白い作品が多いので、ぜひ試してみて下さいね。
マンガワン
「いろはと僕と」ストーリー
主人公は、高校入学直前にインフルエンザにかかり、いきなり1週間休む羽目になってしまった不運な男の子・歩です。
冴えない自分を変えようと高校デビューを目論んでいた歩は、1週間の遅れを取り戻そうとするも、あえなく撃沈。
流行り(?)の便所飯をしようと校舎の外れにあるトイレを開けると、そこには可愛い女の子が!
彼女が、何らかの心残りがあって学校にとどまっている幽霊・いろはです。
いろはは、幽霊のくせに明るくて前向きで、一生懸命。
楽しい高校生活を諦めてしまっている歩に対し、
「私が協力する!」と、歩とともに奮闘していきます。
歩と、いろはの孤独
歩が暗い少年なのは、幼少期から幽霊が見えていたため。
幼い歩は、幽霊はみんなが見えるものだと勘違いして、幽霊とも一緒に遊んでいました。
そのため傍からみると「1人で遊ぶ変な子」に見られ、周囲から浮いた存在になってしまったようです。
周りに溶け込めないまま、ついに高校生になった歩。
「高校デビューして、今度こそ友だちを作って青春を謳歌するぞ!」
という意気込んでしまう気持ち、ちょっと分かりますね。
「幽霊が見えるから」という理由ではないにせよ、「周りに溶け込めない」という悩みを持ったことある人は、結構多いのではないでしょうか。
インフルエンザで1週間も高校生活に出遅れるなんて、歩でなくても必死になってしまいますよね。
そんな中で、「のんびり歩いてたら、学校着くのに1週間かかっちゃったー!」
なんて渾身のギャグをかました歩は、一生懸命で偉いと思います(撃沈しましたが)
というかこのギャグ、いろはも爆笑してましたが、面白いですよね(笑)
とにかく、もともと「幽霊が見える」歩だったからこそ、いろはに出会うことができたわけです。
これはある種、運命の巡り合わせですね。
歩は優しい子だと思うんですが、その優しさが表れているのは、初めていろはに出会って会話をしたときの場面。
「15年、トイレに住んでいる」と言ういろはに対し、歩が、「寂しくなかったですか?」と問いかけるところです。
これも、ずっと周りとうまくいかずに育ってきた歩だから、いろはの孤独に気がついてあげられたのかも知れないですね。
いろはが、「こうしてちゃんと会話してくれたのは、あなたが初めて。みんな私が見えないか、見えても怖がって逃げちゃうから」
と笑顔で言うのですが、これってすごく寂しい言葉ですよね。
いろはがずっと、孤独を背負っているのが伝わってきます。
だからこそ、歩が彼女の存在に気づいてくれて良かったなあと思います。
歩は、「高校生活が楽しくなるよう協力する!」と言ういろはの申し出を、最初は断るんですが、何だかんだで、いろはの一生懸命なエールを受け入れ、共に頑張っていくんです。
孤独から抜け出そうと頑張る2人の姿は、見ていて応援したくなります。
いろはという少女
歩がトイレで出会った、いろは。
彼女は15年前に死んでしまった女の子の幽霊です。
幽霊なんですが、いろはは、めちゃめちゃ可愛い!
明るくてひたむきで、一生懸命に歩のお世話を焼こうとする彼女の姿は、微笑ましいです。
幽霊になっても、これだけパワフルなんだったら、生前の彼女も、さぞかし明るい女の子だったのだろう、と思うところですが、実はいろはも歩と同じ、高校デビューに失敗して、そのまま死んでしまった、悲しい女の子だったようです。
だからこそ、いろはは歩のことを「独りぼっち」から救ってあげたかったんですね。
自分が果たせなかった青春の夢を叶えてあげたいのかなあ。
いろはは生前も、そして死後も、孤独の辛さを知っているんだもんね。
いろはの笑顔の下に隠された心情を考えると、より一層、彼女の健気さが切なくて、愛おしくなります。
歩の青春と、いろはの運命
いろはは、「高校生活が楽しくなるように協力するから!」と豪語したとおり、ものすごく一生懸命に、歩のお世話を焼き始めます。
いろはの基本ルールとしては、学校のトイレからは遠く離れられないのですが、お札の効力で、歩の自宅トイレに出没なんて離れ業もやってのけます(笑)
初めて歩の自宅トイレに現れたシーンは、「くっさ!」とか笑顔で言い放って登場するのですが、その無邪気さと強引さに笑ってしまいます。
いろはが一生懸命過ぎて空回ってしまったり、むしろ邪魔になってしまったりと、すったもんだがあるのですが、それでも一貫して、いろはの励ましがあったからこそ、歩はだんだん友だちを作ることができ、青春の輪が広がっていくんです。
また、歩の友だちとなるマッシュや、歩をオカルト研究会に誘ってくるツンデレで残念な女先輩という可愛い女の子も出てくるし、恋愛模様も楽しめますね。
これで、いろはが普通の女の子であればハッピーというところですが、いろはは幽霊です。
ということは、いつかは成仏してしまうの?
そうしたら、いろはは消えてしまうの?
いつも、いろはの笑顔が共にあったからこそ、がんばれた歩。
歩の青春が輝き始めたのを見届けて、いろははこの世から永遠に去ってしまうのでしょうか。
最終回では、いろはと涙のお別れ…と思いきや、単にいろはがトイレから離れすぎていたため、トイレに引き戻されただけだった!というオチもついてきます(笑)
成仏しないのか!とツッコミたくなりますが、歩と別れずに済んで、思わずホッとしてしまう話になっています。
ここまで来ると、歩の青春にいろはが居なくなるなんて、考えられないですもんね。
「いろはと僕と」の感想・ネタバレまとめ
ところどころにギャグもありつつ、ほのぼのした青春ストーリーや恋愛ストーリーが楽しめます。
明るくて一生懸命ないろはを見ていると、微笑ましくなります。
いろはの可愛さは、読んでいる方にも元気を分けてくれる感じがします。
絵柄も可愛くて好感が持てますし、爽やかな青春ストーリーなので、
楽しい話を読んで、気持ちを明るくしたい人にはオススメの作品です。
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