累(かさね)|唇を重ねて相手の顔を奪う醜い演劇役者

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累(1) (イブニングコミックス)

今回紹介するのは、松浦だるまさんの「累(かさね)」。

有名女優「淵透世(ふちすけよ)」の娘として生まれながら、その醜い顔が理由でイジメにあう「淵累(ふちかさね)」が「顔を入れ替える口紅」を使うことで、演劇の世界で成り上がっていくストーリー。

顔を入れ替えるという非現実的な設定ながら、愛憎や嫉妬という人間の醜い内面を描く魅力ある設定になっています。

 

累のあらすじ・ストーリー

冒頭にも書きましたが、この物語の主人公「累」はこの世のものとは思えない。醜い顔を持った少女。それ故に彼女はひどい仕打ちを受けます。

そんな彼女が好きな物は、亡くなった自分の母親の職業である「演劇」。

見るものを魅了する演劇の才能を持つものの、その顔のせいで周りに潰されてしまいます。

しかし、彼女を変貌させるキッカケになったのが、「顔を入れ替える口紅」。これを使うことで、彼女は周りの美人を利用して演劇の世界に飛び込みます。

たとえそれがどんな醜い方法であったとしても・・・、というストーリー。

 

感想

累は、一定時間、口紅を塗ってキスした相手の「顔を入れ替える」という能力を使います。正直、すごく非現実的なストーリーですよね。

でも累が普段から持っている嫉妬や、顔を入れ替えられた相手が人生を奪われたと思う感覚とか、妙に現実的なところがあるんです。これがすごく不思議な魅力。

特に、僕は丹沢ニナの話が好きで自分が有名になっているのに、そこにいるのが自分ではない置いてけぼりを食らっているところが面白かったですね。

いわゆる、ゴーストライター的な人たちはこういった感覚なのかなぁと、ちょっと考えてしまいました。

もう一つ魅力的なのは、演劇のシーンに迫力があること。演劇が中心のマンガなので、当然といえば当然なんですが、見ていて引き込まれます。

特に、少女時代のシンデレラが良かった。累としての顔で出て、さらにイジメの主謀である「西沢イチカ」の顔で出るシーンの対比は、他のマンガにはなかなか無い感覚だと思います。

悪いところを敢えて挙げるとすれば、表紙買いするとガッカリする可能性が高いこと。表紙は水彩画のようなタッチで妖艶さを演出している絵になっていますが、絵はそうでもありません。残念のは、これくらいでしょうか。

絵のギャップはあるものの、松浦さんはこの作品が連載デビュー作なので、画風が 成熟されていくのが逆に楽しみでもあります。

 

累の感想・ネタバレまとめ

最期に否定的なことを書いてしまいましたが、人間の愛憎劇が好きな人には、この「累(かさね)」はめっちゃオススメですね。正直、男性よりも女性の方に読んで欲しい作品です。

ちなみに、母親の物語は「誘(いざな)」として、小説化されていますので、よければこちらもどうぞ。

 

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