おくることば|思春期の苦しさと切なさが入り混じる青春ミステリー

「おくることば」のあらすじ・ストーリー

「校門前の横断歩道には幽霊が出る」「その幽霊を見た人は、たちまち事故に遭ってしまう」。

明るく人気者の男子高校生・佐原は、幼馴染の千秋と一緒に登校中、そんな話を聞かされます。

そして横断歩道に差し掛かった時、佐原の目の前には一人の女の子の幽霊が…。

その直後、佐原は本当に事故に遭ってしまい、死亡します。

周りからは単なる不幸な交通事故だと結論づけられますが、じつはこれは事故ではなくれっきとした殺人。

千秋が横断歩道で、故意に佐原を突き飛ばしたのです。

なぜ千秋は佐原を殺したのか?幽霊の女の子も千秋が殺したのか?

彼女やクラスメイト達の胸に秘められた想いの真相に迫っていきます。

 

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おくることばの感想・評価

なぜ千秋は佐原を殺したのか

この作品は犯人を推理するストーリーではなく、初めから千秋が佐原を殺したということはハッキリしています

なので佐原も言っていたように、「なぜ殺したのか」というのがストーリー全体を通した大きな謎となっています。

過去のストーリーを見ても、なかなか千秋の目的や思惑はわからず…。

それだけに、淡々と事故を装い殺人を犯す千秋の姿が、とても不気味な印象を与えます。

狂気を丸出しにした殺人犯なんかよりも、一般人の皮をかぶって何事もないような顔で殺すというのが、とても怖くて鳥肌が立ちますね。

序盤では殺された佐原以外、だれも千秋の闇に気付く人はいません。

それを佐原がどのようにして「おくることば」として伝えていくのか、というのが気になるストーリーです。

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様々な人物の視点から見えてくること

この物語の主人公は佐原で、彼を中心に謎を解き明かしていく展開かと思っていたら…ストーリーはいろんな人物の視点に切り替わりながら進んでいきます

メイなんかは単なる意地悪なモブとして登場した風でしたが、じつは幽霊である佐原が見える唯一の人物!

序盤から伏線はたくさん張られていて、一見不謹慎に見えたメイの言動にも、一つ一つ理由があったというのは感心しました。

しかし実際のところ、メイは登場人物たちの中では、最も生前の佐原と遠い人物でもあります。

しかも千秋とは絶対的な信頼度の差があるのが悲しいところ…

真相を知っている読者としては、千秋にはぜひ真相解明に向けて頑張ってもらいたいです。

 

複雑に絡み合う少年少女たちの想い

何事もなく平和に過ごしていたように見えて、佐原の事故をきっかけに、登場人物たちの様々な胸の内が明かされていきます

佐原の次に犠牲者となってしまったのは託でしたが、彼もまた思春期特有というか、いろいろ拗らせちゃってる感がすごかったですね。

あんな内容の漫画、いくら絵が上手かったとしても教室で見せるのはアウトだってことに、なぜ見せる前に気付かない…。

見せられた方はドン引きだし、勝手にモデルにされて気持ちのいい内容でもないですし。

しかも佐原に言われて満更でもなかったくせに、みんなが受け入れてくれないと分かったとたん、掌返して佐原に逆恨み。

リア充に敵意を向ける気持ちも分からないことはないですが(佐原もだいぶ無神経)、そんな弱く自分勝手なところも、思春期独特のリアルな拗らせ方だなぁと感じました。

ただ託も徐々に自分の過ちに気付いて行動を起こそうとしていたので、その矢先に千秋に狙われてしまったのは残念です。

 

「おくることば」の評価・口コミ

(30代・女性・洋服販売)
交通事故が多い場所でクラスメートが死んだらまわりの子は動揺するし、泣くと思います。死んだ本人は死んでいないと思って生きている人の前を通ったり気づいてほしくて言葉をかけたり切ない漫画だと感じました。いつも一緒だった同級生は佐原くんのことを覚えているし、辛い事件だと感じてくれるはずです。いろんな感情を持った同級生がいるからこそ佐原くんも死んでからいろんなことを考えてくたことがわかりました。若いうちにこれしとけばよかっただという感情が出てきてさみしい気持ちになりました。人の死でこんなに感情が変わってしまうことが再認識できた作品だと思います。


(20代・女性・OL)
私は、事件ものが大好きなので、サスペンスのような内容が含まれているこの漫画が、とても魅力的だと思いました。 ある日、男子高校生の佐原は、ある交通事故によって死亡してしまいました。しかし、その死の原因が、事故によるものではなかったのです。犯人は幼なじみの少女の千秋で、千秋によって殺されたのです。 そしてこの事件をきっかけにクラスメイト達は、本当の想いや真実が次々と語られていくのです。 最新号では、色々と予想を覆されるような切ない展開になっていて、ついつい見入ってしまいます。 毎回早く続きが読みたくなる、そんな漫画です。


 

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死にあるき」は、ある少女の周りで次々と不可解な死が続くホラーミステリーです。

主人公の朱鷺子は、不気味な雰囲気を纏うちょっと変わった少女。

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「おくることば」の感想・ネタバレまとめ

全体的なストーリーの流れはミステリーとして描かれていますが、内容は少年少女たちの青春やそも想いが色濃く描かれた、青春群像劇としての一面も強いです。

彼らが抱える悩みや辛さなど、共感できる人も多いのではないかと思います。

特に主人公が定まっているわけでもなく、様々な人物の視点からストーリーが進んでいくので、ちょっとわかりづらいと感じる所もあれば、逆に一つの視点では見えなかったことが見えてくることも。

わりとテンポよく読める内容だと思うので、気になる人はぜひ一度読んでみて欲しい作品です。