【無料で読める】おとこのこ妻 感想 【新ヒロイン像は従順で献身的な「おとこのこ」?!】クリスタルな洋介

9月 29, 2017

おとこのこ妻 1 (サンデーうぇぶりSSC)

作者  クリスタルな洋介
無料で読めるマンガアプリ  サンデーうぇぶり(ストアへ)
同作者の他の漫画レビュー お酒は夫婦になってから
最新刊をチェック ⇒ amazonで探す

 

LGBTという言葉を耳にすることも増え、リアルで「男の娘」も珍しくない今日この頃。フィクションにおいて同性カップルのラブストーリーは目新しくありません。

ですがさすがに「これ大丈夫?掲載場所、間違えてない?」とサイトトップを何度か確認しました。

それが、うぇぶりサンデーにて連載中の「おとこのこ妻」です。

小学館公式の「サンデーうぇぶり」
サンデーうぇぶり width=
androidでインストール ⇒ iOSでインストール ⇒

 

「おとこのこ妻」あらすじ

旦那様のお名前はコウ(幸)、奥様のお名前はユキ(雪緒)。二人は結婚しています。指輪もちゃんと薬指に(※第一話1コマ目参照)。

「晩御飯なににしようか」なんて会話をしながら街を歩けば、すれ違うサラリーマンが舌打ちかましながら睨んでくるほどラブラブです。そんな二人は仲良く並んで男子トイレに入り(!?)、先ほどすれ違ったリーマンを挟んで会話をしつつ(!!)、するべきことをはじめました(><)。

そうです。ユキはコウの妻ですが、男なのです。

そんな二人のラブラブな日常を描いた「おとこのこ妻」はうぇぶりサンデーにて連載中です。

……これ、男性読者はどのくらいいるのかしら?

 

頭が混乱するほどかわいいヒロイン・ユキ(♂)

本作品のヒロイン・ユキは、絵柄のかわいさももちろんあるのですが、長い髪にスカート履いてて、仕草もまるきり女の子です。

そんな子がですね、いきなり男子トイレに入って来て、たまたま先に入ってたサラリーマンを挟んで旦那と会話しながらですね、連れションはじめるわけですよ。

そして出ていったかと思ったら戻ってきて、旦那がいきなり自己紹介しだすんです。曰く、「ユキは男で、オレの妻っす。」って。どややん!って顔で。

――だめですね。こんな自己紹介されたら困惑しないわけがない。

リーマン氏、ビックリしただろうなあ。止まったよね、きっと(なにがとは言わない)。絶対見たよね、ユキが立ってた左側(ナニをとは言わない)(言ってる)。

衝撃の第一話でした。そして混乱が始まります。

この作品はBLか?いや違う。違うと思う。違うと思うけどどこが違うのかがわからない!

 

ユキという女装男子の特異性

BL世界の男子は、トイレに行ってもおしっこはしません(トイレに行かないとは言っていない)。

主人公カップルの男子の片方あるいは両方がどんなに可愛かろうと、日常的に女装はしていません(そういうイベントが発生したりはしますが)。あと髭も生えない(真顔)。

また、少女マンガにも女装男子は登場しますが、彼らの立ち位置は当然「ヒロイン」ではありません。

「前略ミルクハウス」(川原由美子著)から「海月姫」(東村アキコ著)など、新旧含めて作品例は多々ありますが、彼らはどんなに可憐でどれだけ女子力高くても、「可愛いけどカッコイイ」という要素を密かに隠し持っています。

  • 前略・ミルクハウス 1巻
  • 海月姫(1) (Kissコミックス)

 

でもユキの場合、女装はコウの希望によるもので本人の趣味ではなく、あくまでコウのためにやっているのです。

「ちょっとイヤだけどコウ(=旦那様)のためにがんばって女装をする」――このシチュエーション、まるで一昔前の少女マンガの主人公のような古典的な健気さ・いじらしさです。

いまどき、フィクションでもこんな女子はいません(断言)。

 

二人のなれそめエピソードもツッコミどころがあふれています

コウとユキのなれそめは十三話と十四話で描かれています。中学生のユキの将来の夢は「専業主夫」で、その理由が「好きな人を支えたいから」。

……それだと引きこもニートはダメなんじゃないかなあ? 第一、ユキはなんで引きこもったのか。それについての説明はありません。

コウはコウで、中学卒業と同時にユキに告白されて答えを保留。その後音信不通に。しかし高校卒業の日に取材中のテレビクルーを引き連れてユキの家に突然来て、「やっと答えが出た。結婚してくれ」と告白します。

……ちょっとなくないですか? ねえこれ、カッコイイ、か?

告白の様子はしっかりテレビ放送されたようで、コウは録画したそのVTRを、結婚後の現在も見ています。

あの――言っていいでしょうか? 幸さん。それ、ちょっとかなり引く。

 

誰がための「おとこのこ」ヒロインか?

そんな調子で最新話まで読んだ結果、「この作品はBLとは呼ばない」という結論に至りました

最初は♂✕♂の話ならBLでいいのではと考えていましたが、第一話の連れションに加え第5話にてひげ剃り失敗傷が登場、「ユキは腐女子の求めるヒロイン的男子ではない」と判断しました。

ではユキは、どんな読者層のための「ヒロイン」なのでしょう?

冒頭でも書きましたが、LGBTと言う言葉は随分と認知が広まりました。今なら少年誌に男性同性カップルのラブコメがあっても大丈夫なのかもしれません。「女性向けではない雑誌に掲載されている男性同性カップルが主人公のマンガ」の類例は、すでに「きのう何食べた?」(よしながふみ著)があります。本作品のようなことは現実に起こるかもしれない。そう、これは、そんなシチュエーションコメディなのだ!

――と、思ったのですが、そのわりに、二人のなれそめのエピソードは、シリアスとリアリティさが微妙です。コメディの主人公には「バカさ加減」を相殺するシリアス要素が不可欠ですが、中途半端です。

つまり、リアルに生きる同性カップルの姿を投射したヒロイン像(♂)と言うわけでもないのです。

ユキは、コウの望むとおりに髪の毛を伸ばし、スカートを履き、コウのために家事を覚えて専業主夫になりました。つまり「旦那様に従順で献身的な妻(♂)」です。

実はこの点が、ものすごいツッコミどころなのです。「一体どこの昭和歌謡か?!専業主婦!?そんなもの、リアル女子だってめっちゃ夢見るわ!でもこのご時世ありえへんやん!」といった具合に。

「ハタラケーハタラケーカガヤケー」と、呪いのように毎日言われているのが今の現実の女性です。

そして、そういうがんばらんばな女子は彼ぴっぴに癒やしを求めたいのですが、男の子だって環境的には似たようなもので、辛いですよねわかります。

男子にしてみれば、彼女に気を使うより、同じオトコどうしの方が楽だってこと、ありますよね、きっと。

つまりはユキは、そういう男子のための「ヒロイン」なのでは?

――そう思い付いたところ、この話を読み始めた直後から収まらなかった混乱(こんふぇ)が収まりました。

 

「おとこのこ妻」の感想まとめ

というわけで、「おとこのこ妻」は、おとこのこ✕おとこのこなラブストーリーですが、これはれっきとした男子のための作品です。ユキちゃんのあざといまでのかわいさに是非癒されちゃってください。

……でもですね、本気で「あー、ユキみたいなおとこのこいねーかなー?こんなおとこのこ彼女ほしいなあ」って思っちゃったらですね、現実を見てくることをお勧めしたいと思います。

小学館公式の「サンデーうぇぶり」
サンデーうぇぶり width=
androidでインストール ⇒ iOSでインストール ⇒

 

こちらの無料で読めるマンガもおすすめだよ!
スマホアプリを使って、無料で読めるマンガを紹介しています。現在、250作品以上あるので、暇つぶしにどうぞ。
無料のマンガ一覧を見てみる⇒
 
\こんなマンガが無料で読める/