
サトラレは、無料のマンガアプリ[ピッコマテキスト]」で公開されているよ!
心の中で思ったことが全て思念波となり、周囲の人間に聞こえてしまうという原因不明の病を背負った人々・サトラレ。
彼らが自分の病に気づかずに生涯を過ごせるようにと、サトラレ対策委員が見守り、周りの人間たちはそれに協力しています。
この作品は、サトラレと周りの人々が織りなす暖かい物語です。「サトラレ」は、「[ピッコマテキスト]」で無料で読む事ができます。
「サトラレ」のあらすじ
先天性R型脳梁変性症。通称サトラレ。この病気を持って産まれるのは、1千万人に1人の割合です。
サトラレは、全員が何らかの天才的な才能を持った人間です。そのため国は、国益を守る目的でサトラレ対策委員会を設け、該当する人々を見守っています。
過去に、自分がサトラレであることを知った人が、精神を病み、自殺してしまったという経緯があったためです。
この物語は、サトラレと、サトラレ対策委員会の人間を取り巻く、ちょっと不思議で、ハートフルなストーリーです。
サトラレという体質
この作品の骨子となる、サトラレという特異な病気。
サトラレは、1千万人に1人の確率で産まれ、何らかの分野で天才的な才能を持っています。
しかし、彼らは、心の中で考えたことが全て思念波となり、周囲の人間に伝わってしまうのです。
誰かへの悪意とか、エロいこととか(笑)、包み隠さず全てです。
怖いですね!しかも本人は、自分の思考が皆に筒抜けであることに気づいていないのです。
それは、サトラレに「自分がサトラレである」ことを知られてはいけないという、いわば国民の義務があるためです。
サトラレが皆、何らかの才能を持っているため国益になるということと、自分がサトラレであると知ってしまった「1人目のサトラレ」が、自殺してしまったことに起因します。
「自分の心の声が、実は周りのみんなにバレバレだった」なんて知ったら、死にたくなる気持ちは分かりますね。
「サトラレ」が皆「天才」だから、国が守っているというところが斬新です。
単なる「心の声がダダ漏れの人の話」ではなく、対策委員会があるという設定が、とても面白いです。
サトラレ対策委員会・小松洋子
サトラレ対策委員会というのは、サトラレの人々を、できるだけ自然な形で見守るという組織です。
はじめに登場するのは、小松洋子。冷静沈着に見える彼女ですが、深い思いやりの心を持った女性です。
洋子は、自分の担当しているサトラレ・西山幸夫の恋を、強制終了させなくてはならなくなったとき、「生きる権利があるのと同じように、サトラレにだって、自分が告白してフラれて、傷つく権利があります!」
と涙ながらに、委員会のお偉方に立ち向かいます。
傷ついて、そして自分の力で立ち直るという「成長のプロセス」が大事なのだと、必死に訴える洋子の叫びは、読者の心にもグッときます。
さらに彼女はこれがご縁となり、サトラレの西山幸夫と結ばれるのですから、素敵ですね!
また、西山と洋子は、新婚旅行代わりに無人島のバカンスを楽しむのですが、そこで出会った孤独なサトラレ・白木に対し、洋子は自分のメールアドレスを教えることを決意していました。
白木は自分がサトラレだと知っているため、怖くて人と交流が持てなくなった。
けれど、やっぱりどこかで人と繋がっていたい。話したい。
白木の悲しい気持ちを汲んであげられる洋子は、対策委員会に属しながらも、優しい心を忘れない、慈愛に満ちた女性なのです。
サトラレの医者・里見健一
優秀な能力を持つサトラレですが、不向きな職業が幾つかあります。その一つが、医者。いわゆる臨床医です。
臨床医には「守秘義務」がありますが、
思念波がダダ漏れになってしまうサトラレには、秘密を守ることができないのです。
加えて、人の生死に関わる場合「告知」をすることになりますが、サトラレの場合、伝える必要のないことや、患者が知らない方が良かった内容まで、全てが筒抜けになってしまうわけですね。
しかしサトラレの中で、強い意志を持って医者を目指す男がいました。彼の名は里見健一。
健一は、対策委員会の妨害によって2度も受験に失敗するのですが、諦めずに合格を勝ち取ります。
健一はメキメキと頭角を表しますが、彼はサトラレですから、臨床医にするわけにはいきません。指導医は、健一の医者としての実力を惜しみながらも、研究室行きを勧めます。
健一の運命を決めることになるのが、彼のおばあちゃんの病気。健一が、おばあちゃんを救うために必死の手術をするところは、
涙無しでは読めないシーンです。
おばあちゃんは残念ながら亡くなるのですが、結果的に健一の医者としての実力が周囲に認められました。
こうして健一は研究室に行かされずに、希望通りに、臨床医として人を救う責務にあたることになったのです。
健一の思念は全て聞こえているけれど、おばあちゃんや指導医たちは、知らぬふりで彼を見守っていくという、とても暖かいストーリーになっています。
「サトラレ」という奇病を通して伝えてくるメッセージ
この作品を読んで思うのは、とても暖かい、ということ。
サトラレを「守る」ために、対策委員会をはじめ、周囲の人間が、本当に暖かくサトラレに接しています。
サトラレと、周囲の人間とのエピソードの中で、本作品は沢山のメッセージを読者に伝えてきます。
対策委員の洋子が訴えた、「人には傷つく権利がある」
サトラレの小学生・木村浩が感じた、「真剣に相手のことを思ったとき、心は綺麗になる」など、深い名言が多々あります。
この作品が伝えたいものは、人間は、仕草・表情そして行動などから、少しずつ本心が見え隠れする。
そういう意味では、私たちは皆、ちょっとしたサトラレ。
注意深く大切な誰かのことを見て、その人の気持ちを考えてあげましょう。
要するに、「思いやり」だと思うのです。
作中には、いろんなサトラレや周囲の人間が登場しますが、共通するのは、相手のことを考える「優しい気持ち」です。
だからこの作品は、どのエピソードを読んでも、ほんわかと暖かいのです。
「サトラレ」の感想・ネタバレまとめ
サトラレという架空の病気を通して、思いやりの気持ちだとか、人の触れ合いの難しさなどを描いた名作です。
皆が少しずつ、周りの人間に対して思いやりの気持ちを持って行動したら、皆がもう少しずつ、ハッピーになれるよ。そんな暖かいメッセージを送ってくれる作品です。
とても暖かい雰囲気の物語ですので、ホッコリしたい人にはオススメですよ。
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