とにかく虫注意…!
虫が死ぬほど苦手な私ですが、読んでいて続きが気になり結局ハマってしまったこちらの作品。
ミクロになって虫と戦うという、想像しただけでぞわぞわするこちらの「T-DRAGON」を、ぞわぞわしながらたっぷりとご紹介させて頂きます!
T-gradonはマンガbangで無料公開されています。
マンガBang
「T-dragon」のあらすじ
中丸光太郎、18歳の高校三年生。剣道に勤しんでいた彼は、念願のインターハイ出場を決めます。
それは産まれつき足の不自由な弟・ユウ6歳の願いでもありました。
しかし、その後ある伝染病のためインターハイは中止に。
その伝染病はとても恐ろしいもので感染者の血が皮膚に付くとすぐに感染、致死率は94%にものぼり、感染してから約10日で死に至るというものでした。
パニックで秩序も理性も失った危険な街を離れ、体育館の簡易部屋で過ごす事になった光太郎一家ですが、イライラしていた光太郎は剣道を勧めて来るユウに辛く当たってしまいます。
そして事件は起こりました…。
一人の感染者が配給の全てを奪おうとユウを人質にとり、その際に感染した血がユウへと滴り落ちてしまうのです!
それを見た光太郎は剣道の要領で相手を倒しますが、時すでに遅くユウは感染者となってしまったのです。愕然とする光太郎…。
しかしユウの身体にはウィルスと拮抗出来る抗体があり、1~2か月は生存する可能性がある事が判明。とりあえず一命を取り留めます。
その頃政府はウィルスを持った新種の生物が抗体も持っており、多くの人々を救える術を発見!
その生物を捕獲するための「保因生物捕獲プロジェクト」を立ち上げます。
そして剣道の猛者である光太郎も、ユウのためにプロジェクトの参加を決意。
しかしそのプロジェクトとは、約5ミリ程しかない「地球外生命体・T-DRAGON」を相手にする為、自身の体のサイズを100分の1にして進化した他の虫達と戦いながら、T-DRAGONを見付け捕獲するという過酷なものなのでありました。
現実に起こりそうな展開に戦戦恐恐!
「未知の生物のウィルスが伝染病を広める」という作品は多々ありますが、更に「ミクロになって進化した虫と戦う」という設定はとても斬新だと思いました!
未知のものと戦う物語、似ている作品に「進撃の巨人」(マガジンポケットでリバイバル連載中)がありますが、それは戦う相手自体が大きく小さい人間達はあまりにも無力。
マガジンポケット
無残にもやられてしまうが立ち向かう…というものです。
そりゃ勝てないよこんなのに…でも頑張れ!と思うストーリーですよね。
しかしこの「T-DRAGON」は小さい虫が相手で、人間側があえて小さくなり虫の土俵に入って戦わなければなりません。
小さくても虫が脅威となる可能性は現実にも起こり得る事であって、作品はファンタジーストーリーですが実際にありそうな気がしてかなりの恐ろしさを感じます…。
今私達が生きているこの世界でも、蚊やアリや蜘蛛などが様々な病気を広めていますよね。なのでこの作品の世界がリアルになる確率は0%とは言い切れません!
小さいからと言って侮るべからず。そんな事を考えさせられるハラハラするストーリーです。
登場人物の描写が性格そのままで分かりやすい
この作品の登場人物達は、見た目と性格がピッタリ当てはまるほど分かりやすく描かれています。
特に光太郎達のチームの隊長がかっこ良すぎる!
身体を張り仲間を守ろうとするシーンなどはちょっとやり過ぎくらいイケメンです!
その見た目もイケメンな隊長が率いるチームの面々は、それぞれ光太郎のように悲しい事情を抱え戦う事を決意しているのですが…やはりどこにでもいるいる、仲間を売る奴(笑)
総じてそういう奴には敵にやられるフラグが立ち、そのまま無残な最期を迎える事が多いですよね!
そのくらい分かりやすいキャラクター設定ですが、それがまた読みやすくて面白いです。
個人的に好きだったキャラがエグい感じで死んでしまったのはショックでしたが…。
作品の最初のほうですでにたくさんの犠牲者が出るので、果たして誰が生き残るのか?ハラハラしてその後の展開から目が離せなくなります!
光太郎の苦悩…。本当にかわいそうで見ていられない!
大事な弟のユウを傷つけたまま、別れが近くなってしまったという切ない冒頭のストーリー。
ユウはしつこく剣道を勧めていましたが、それはただただひたむきに剣道と向き合っていたお兄ちゃんが好きで、また剣道を好きになって欲しかっただけ…。
そんな「弟を助けるため」光太郎は超危険な任務に就くわけですが、こんな事になってしまった街を助けたいという素晴らしい正義感もあります。
「生きてるけど…死んでるのと同じだよ」壊滅していく街を見下ろしながらそう呟く光太郎。
一番輝く時期であるべき高校生なのに、夢も希望も絶たれたその絶望感たるや、想像を絶するものだと思います。
その絶望を弟のためという悲しいきっかけで乗り越えようとする、若さゆえ持てる勇気かもしれませんが、彼の心の強さに惚れ惚れしました!
これも分かりやすい「主人公頑張れ!」の構図。それが気持ちよく読み手に伝わり、物語にハマり込める魅力だと思います。本当、頑張れ光太郎…!
リアルな虫の描写がぞわぞわ…
殺虫スプレーや薬のパッケージって、とてもリアルで手に取るのも気持ち悪い!
何故あそこまでリアルに描く必要があるのかさっぱりわかりません…。
このマンガはそのようなパッケージに出来そうなリアルな描写がされているので、虫が苦手な方にはおススメ出来ません(笑) インセクツという漫画を読んだことがある人ならわかるかも。
けれど冒頭にお話したように私も虫が苦手な者ですが、この作品にはそれでも続きが気になり読み進めてしまう面白さがあります!とはいえじっくりとは見れません。
それほどこの画力の素晴らしさには辟易してしまいます。
ミクロの世界を表現するのは容易い事ではなく、この作者様ならではのリサーチ力あってこそのものだと思います!
カビの胞子や埃、ダニなど顕微鏡ででも観察したのでしょうか?
しかも進化している未知の虫なので、更に想像力も凄いとしか言いようがありません。
読んでてぞわぞわしますが、光太郎達が頑張って倒してくれるので心から応援出来ます!
「T-dragon」の感想・ネタバレまとめ
この作品をおススメしたい方はこちら。
- 緊迫感のあるアクションが好きな方
- 未知の生物や虫が平気or好きな方
- 分かりやすいストーリーが好きな方
- ミクロの世界を体験したい方
- 部屋を掃除したいけれど面倒な方
虫が苦手な方も、ストーリー自体はとても面白いので頑張って読んでみる価値はあります。
そして読み終わると絶対に掃除したくなります!あんな虫達がいるんだと思うと今座っている場所も怖くなりますよ。
大掃除の時期に読み返すとなお良いかもしれません。あ、ほら、あなたの足元に…!
パニックホラーものなら
虫というわけではありませんが、パニックホラーものなら、現在「マンガUP」で無料公開されている「魍魎の揺りかご」がおすすめです。
作者は「僕だけがいない街」を描かれている三部けい先生です。
マンガUP
船の中でウィルスに感染した乗客たちがゾンビになって襲い掛かってくるお話。ゾンビものの中では、秀逸な作品ですね。
本記事で紹介した作品