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今回紹介する作品は、ある同じ目的を果たすために大人となった2人のストーリーである「ウロボロス」というマンガ。
警察という法の世界からという方法と、極道という闇の世界からという真逆の方法から攻めていく真逆の方法ながら、同じ目的に向かって進んで行く2人は、本来は関わることのない世界同士で協力をして、悪を捌き続けるのです。
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ウロボロスのあらすじ
警察という窮屈な組織にいるイクオは、その立場上からも1人で悪人を裁くことはできません。
もちろんしてはいけないことですが、世の中には完璧に黒である犯人でも、はっきりとした証拠がないために疑わしきは罰せずということで罪に問えない場合もあります。
また、この2人に関しては子どもの頃に命を落とすことになった2人の恩師を殺した犯人は、警察関係者によって隠蔽をされているのです。
そのようなこともあり、イクオは極道の世界にいる竜哉に情報をリークし悪人を検挙して行くというストーリーです。
何が善で何が悪か
このマンガの大まかなストーリーを読んで、1番の論点となるのはやはり何が善悪なのかということです。
もちろん、法にのっとって悪いことをしたら裁きを受けることが最もな善です。
しかし、先ほども言った通りいろいろな事情で結果的には罰することはできずに、遺族が煮え湯を飲まされることも少なくはないのです。
ニュースなどを見ていても、このような残酷な形で我が子を失ったのに犯人への量刑が少なくなるというコメントをよく見かけます。
これは日本の法律の中には万人に人権があり、それは犯罪者にも適応されるという考えがあるからです。
また、確実な証拠もなく検挙をすれば冤罪を生んでしまい、それは容疑者の人権を侵害してしまうのです。
この辺りは本当に難しい問題ですが、100パーセントの証拠がなければやはり逮捕は難しいのです。
この2人は、もちろん私情や証拠なく裏の世界から悪を罰しているわけではありません。
うまいこと証拠がでないように工作をしたり、警察関係者に取り入って証拠の隠蔽を行なったりしている犯罪者を罰しているのです。
善悪のボーダーラインがあやふやだからこそ不完全な法律なのであり、あやふやなゆえに出て来てしまう問題なのです。
デスノートのような成敗方法
デスノートといえば、ウロボロスと同じく映画化ドラマ化された非常に人気のマンガです。
その題名の通り、ノートに名前を書かれたものは死ぬというデスノートと、極道の生身の人間が人間を殺すというウロボロスは、全く違うマンガのようですが、元の概念は似たものがあります。
どちらもある理由を持って不起訴、検挙すらされていないという犯人を罰しているところです。
ほぼ個人的にターゲットを選んで成敗しているため、自分の私情が挟まると、理想とする正義の道から外れてしまうという場面も似たところがあります。
警察からのリーグによって極道の生身の人間が成敗するということから、ウロボロスの方が現実味を帯びている物語ではあると思います。
警察関係者による隠蔽
2人の恩師が殺された事件から、警察関係者による犯人の隠蔽は始まります。
それからも、2人が大人となり法律とは別の形で犯人を罰している最中にも、情報をリークしてくれるはずだった人物が一歩先に殺されたり、その人物が掴んでいた情報すらも消されているのです。
都合の悪いことは隠蔽をする、というこれこそあってはならない警察内部としての善が、このマンガの肝となっています。
一般市民である私たちには分からない世界ですし、調べて情報が集まる警察の中ですから、正直隠蔽をすることはたやすいことだと思います。
実際に起きているかはわかりませんが、その隠蔽を密告する警察内部の人間がいないと、その悪事は見つけられないということです。
最初は正義を胸に警察になるとは思います。
しかし、長い間組織の人間として働くことで妙な仲間意識や悪いとは思っていても言えない圧力などが、刑事ドラマなどでもよく見かけます。
その中でも初心を忘れずに隠蔽を密告をしたり、イクオのようにもともと目的をもって警察に入って正義を貫く人間もいるのです。
法的に、組織的には間違ったことかもしれませんがそれによって救われる遺族たちがいるというのも一つあるのだなと考えさせられました。
ウロボロスのオススメポイント
オススメポイントはやはり、イクオと竜哉の奇妙なコンビが見所です。
また、ニュースなどで大きな事件が取り上げられた時に、量刑の軽さや不起訴であることへどこか他人でもやりきれない気持ちになることもあると思います。
そんなときに、この裏の世界での悪の成敗の話を見ると、犯した罪より軽い刑罰だった場合、いつか何かの形で罰を受けるのだという教訓にもなります。
やりきれない気持ちになることもありますが、殺さないまでも本当に自分が犯した罪のぶんは法律でなくとも罰せられるという物語は、同じ経験をした人間からみると、世界はこのようであってほしいという望みにもなると思います。

他の人からも感想を頂いたのでこちらも見てみてね!
警官になり知る事実
イクオが警察官にならなければ警察の内部事情がわからないので警察官になる判断は正しかったなと思います。
しかし内部事情がわかればわかるほど恐ろしいのです。まるで警察官の方が暴力団のように理不尽に攻め立ててきます。
警察の内部の闇をさらに闇で隠す性質により上の人達も精神がおかしくなっているように感じます。こんな警察嫌ですね。
哉の愛
竜哉は、知的なヤクザです。
イクオとは正反対な雰囲気の持ち主でイクオより結子先生の想いは恋に近い感じですね。
イクオがピンチの時は先回りする機転の効いた所がカッコ良いのです。そんだけ頭が良かったら暴力団ではなく警察に入ってのし上がって上の人達の悪事を暴いて欲しかったです。
竜哉の許せない心は、親の愛情を知らない事が影響していると思います。結子先生以外に竜哉を心から愛してくれる人がいたら何かが違っていたのではないかと思います。結子先生に一途な竜哉に男らしさを感じます。
イクオのギャップ
聴覚、嗅覚に優れていて刑事としての勘がよく、復讐なんてやめて刑事として成績を上げていけば良いのにと思ってしまいます。
愛くるしくて、おっとりしてそうで実は運動神経が良くてここぞっていう場面でかっこ良く決めてくれます。理想のヒーロー像ですね。そんなギャップに美月も気になり出したのでしょう。
イクオと美月
1番信用できる美月をあざむいているイクオの辛い気持ちと美月にイクオと竜哉が繋がっているのがバレないかどうかがウロボロスの面白いところです。
お互い大切に思っているのに普通に恋愛出来ないのが切ないです。美月が警官じゃなかったらまた違う恋愛模様があったのかなと想像してしまいます。
比野監察官と美月
美月は、お父さんへの慕情と反抗心の両方で揺れ動きます。美月の父を殺した小夏への憎いけれど憎みきれない感情が美月の真面目な性格や警察官としてのプライドをよく表しているシーンです。
美月がこういう性格じゃなければイクオともまた違った関係になったかも知れませんが、美月が正しい警察官としての在り方ですね。日比野監察官が金時計の男でなくて良かったです。
美月がイクオの仇の娘でなくてほっとしました。
まほろばの秘密
まほろばの秘密、この設定は、小説「わたしを離さないで」と同じなのでウロボロスを読んだ時にどっかで聞いた事ある設定だなと思ってしまいました。
知らない人なら衝撃的な設定だったと思います。臓器売買は犯罪です。しかも一部の権力者の為に身寄りの無い子供が犠牲になるなんて絶対あってはなりません。
しかし、大切な我が子の命をどんな手を使っても守りたいと親と、大切な結子先生の為にどんな手を使っても復讐するイクオと竜哉は似ているのです。
結子先生の最期
肝心な事をイクオと竜哉が知らなかった事が一番の不幸です。
殺された結子先生は、死んでおらず島の診療所で島の人達に愛されて死んだという事実を知っていればイクオと竜哉を復讐から思いとどまらす事が出来たのでしょうか。
結子先生は最期、竜哉を気にかける言葉をイクオに伝えた事も子供のうちに思い出していたら。だとしてもやはり、結子先生を失った悲しみを竜哉は払拭できずに悪のみちへと進んだと思います。
そしてそんな竜哉をイクオは見過ごせずに悪事に手を貸す事でしょう。竜哉とイクオの絆は友情のような兄弟愛のようにお互いを思う気持ちが強いのには胸を打たれます。
7年続いたコミックのラスト
皮肉な事にイクオと金時計の男北川は親子でした。しかも北川は結子先生の元恋人です。イクオと竜哉のやるせない気持ちが手にとるようにわかり可哀想です。
そんな時に、竜哉のイクオを思う気持ちに救われます。北川は、自分のした事を正当化したいのか、ちょっと病んでるのか言ってる事が意味不明です。
少しでもイクオの為にやむを得ない事情みたいなのが欲しかったです。イクオの美月への愛の告白は、死を意味していて、死んで復讐が終わる話は結構あるのでどっちなの?とヤキモキしました。
実はイクオと竜哉は結局生きていたというオチでしたが、やっぱりいろいろ悪い事しちゃってるので死をもって終わらせる方が納得がいくような気がしますが、姿を見せずに美月を助けるなんてかっこよくて二人らしくていいなと思います。
まとめ
警察怖いっていうのがウロボロスのまとめての感想です。こんな闇の組織は、もう警察って名乗ってはいけないでしょう。漫画で良かったです。
男の友情や復讐ものが好きな人にオススメです。
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